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相談事例
労災
|労災の適用|労災の認定|保険料の計算|休業補償の計算|
|労災と健保|労災を使わない|
【労災の適用】
- Q 経営者にも労災が効くと聞きましたがどうすればよいのですか?
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A 経営者にも労災保険を適用させることができます。では、どうすればよいかといいますと、労働保険事務組合に加入すればそれが可能となります。労働保険事務組合とは国の認可団体であり、加入する事によって、原則労働者と同じような給付が経営者もしくはその家族にも適用できることになります。
- Q 当社は建設会社であるが、当社出入りの一人親方さんたちに国の労災を適用させてあげたい。どうしたらよいだろう。
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A 労働保険事務組合を通して『特別加入』という方法により、労災適用ができる。これは任意の希望によってであって強制ではない。
最近は大手ゼネコンからも、下請け企業の「社長」さんや「一人親方」さんのように、本来は労災の対象外の人達にこの『特別加入』を薦めているようだ。そうしておかないと事故を起こしたとき彼らには労災が適用できないからである。
この点は社長と同居の親族や有限会社の取締役なども、特別な場合以外は同様なので注意されたい。 当事務所では労働保険事務組合も設置しており、希望の方に特別加入の手続きを取っている。
補償内容は原則として一般労働者に同じ。保険料(税)は自分で選ぶ給付基礎日額によって異なる。
- Q 当社の労災保険の適用の仕方がおかしいという指摘を受けた。どういうことだろう。
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A これまで社労士でない事務組合に委託していたらしいが、調べてみると確かによろしくない。
この会社は本社のほかに販売営業所を何カ所か他の地にもっている。さらに製造部門としての工場をやはり県外などに何カ所かもっているのだが、労災は本社一カ所でしか成立させておらず、そこに全従業員を所属させた形にしてあった。
これでは本社以外に所属の者が労災事故に遭ったとき、大いに問題。
本来、他の地にある営業所や工場は個別に成立させなければならず、本社で一括して事務処理が出来る場合にはその手続きもしなければならない。また、製造部門としての工場は本社などの販売とは事業の種類が異なるから、別分類として成立させなければならない。
これらを一切行っていなかった。たとえ事務組合でも専門家でない者に任せているとこうなる。
- Q 今までは自分一人だけでやってきたので、会社の形態を個人のままにしていましたが、そろそろ人を雇い入れ、法人として活動していきたいと思っています。何から始めればいいでしょうか?
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A まずは、法人立ち上げの段階に入りましたこと、おめでとうございます。
これからは、今まで以上に顧客の幅も広がり、大きな仕事にも取り組んでいけることでしょう。
さて、ご相談の内容ですが、法人を立ち上げるということになると、法人登記や、税金関係の申告などやらなければいけないことはたくさんあります。
そんな中でも、まず何よりも優先して取り組まねばならないのは法定の労災制度適用でしょう。
労災の適用をおろそかにするようでは会社として健全な活動や発展はのぞめません。
労災とは会社と従業員双方を守るための制度です。これは本来、法人、個人を問わず人を雇入れる際には必ず適用させなければならない制度ですし、雇入れた者がアルバイトであろうが正社員であろうが、身分には関係なく成立が義務付けられてもいるのです。
相談者の場合は、法人立ち上げと同時に人を雇い入れるということですので、立ち上げと同時進行で労災制度の適用を進めなければいけません。
そして、それぞれの専門家の意見を参考にしながら、その後の会社経営とそれに付随する手続きや事務処理へと、歩を進めていかれたらよろしいでしょう。
どんなに大きな会社も最初は小さな1歩から始まっています。社長さんの会社経営での夢を達成できるように頑張ってください。
- Q 臨時工として雇った者が雇った初日に仕事でケガをした。まだ何の手続きもしていない者なのだが、労災保険は使えるだろうか。
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A 労災保険適用OKである。
法定福利厚生のうち、健康保険や年金、雇用保険などは適用、非適用に一定の定めがあるが、労災保険だけは何の制限もない。当該事業所で雇用した、あるいは雇用している労働者であるという事実だけで適用される。
採用時の適用手続きも不要であるし、臨時工であるとかパートであるとかの身分も問わない。労働法上の労働者であればOKである。
- Q 今度海外に従業員を長期派遣することになった。もし労災事故などが起きた場合はどうしたらよいのだろう。
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A 時代とともにこのようなケースも多くなってきているが、これが実はなかなかややこしい。
はっきりした定めがないのが実情だからである。
一応は、短期出張の場合なら特別の手続きは必要なくそのまま労災適用となるが、長期の海外派遣や出向の場合は海外派遣労働者としての特別加入手続きが必要となることになっている。
だが、出張とか出向とか明確に区別のつかないケースが多いし、どこまでが短期でどこからが長期なのか、短期の予定が伸びて長期となったならどうするかなど、あいまいな点も多い。
私たちの事務所では、顧問先企業従業員の出張には、短期であって本来なら手続きが必要ない場合でも、海外出張届だけは出しておくことにしているし、予定が伸びそうなケースは正規の特別加入手続きをするようにして万全を期している。
- Q 従業員を海外出張に行かせようと思っているのですが、労災は海外でも適用を受けることができるのでしょうか?
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A 現地の組織に所属せず、現地で指揮命令を受けないような出張であれば、原則として国内で就業しているとき同様に労災保険の適用を受ける事ができます。しかし、現地の支店などへの派遣(現地の組織に所属して、指揮命令を受ける形)という事になると、労災の適用は原則受けられません。
ただ、本来であれば労災の適用を受けられない海外への派遣者を対象として労災に特別に加入する特別加入という制度が設けられています。
この制度の適用を受けるためには以下の要件を満たす必要があります。
1、国内で行われている事業が継続事業であること(現地で行われている事業は有期事業でもかまいません)。
2、日本国内で採用された者であること(現地で採用された者でないこと)。従業員の国籍は問いません。
上記の要件を満たし、事業主が特別加入の申請をし、政府の承認を受けた場合には当該事業に使用される労働者とみなして、保険給付を受けることができます。
- Q 当社では外国人労働者を採用しているが彼らがケガをした場合にも労災は適用されるのだろうか?
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A 結論から先に述べれば、労災(労働者災害補償保険法)は日本国内の事業に使用される労働者であれば、国籍を問わずに適用される(当然、労働保険の年度更新の際等には外国人労働者に対して支払った給与も申告の対象となる)。
日本における外国人労働者は年々増加しているが、就労可能な在留資格は「技術」「人文知識・国際業務」「技能」等に限られており、不法就労の外国人を受け入れた場合、会社に罰則が科されることもあるのでしっかりと確認することが重要である。
また、この問題以外でも、労働基準法や最低賃金法の適用により、外国人だからといって不当に低い賃金や劣悪な労働条件での雇用は認められないし、雇用保険や社会保険も国籍に関係なく適用されるので日本人と同様に一定の要件に該当する場合は取得の手続きが必要となる。
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【労災の認定】
- Q 会社行事としてのスポーツ大会中にケガをした者がいる。労災扱いはできるだろうか。
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A このようなケースが労災扱いとされるには、そのスポーツ大会が組織経営上必要とされることであることと、事業主の積極的命令があることが要件とされる。
具体的には先ず就業規則等にて会社の行事として記載され慣習として行われていること、費用は会社負担であること、業務の一環であるから通常の勤務として扱われること(不参加者は欠勤もしくは法定の有給休暇扱い)などが必要となる。
また積極的命令であることを裏付けるものとして、社長命として文書で大会実施要綱などを示し、参加を義務づけておくとなお良い。
- Q 仕事上のケガで労災に当たると思うのだが、実は同僚が鉄材を運んでいて、向きを変えたときにその鉄材で頭をぶつけられたもの。これを公にするとその同僚の責任を問われるのだろうか。本当のところを隠して自分で何かにぶつけたことにできないだろうか。
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A ウソをつくことなどできないし、またする必要もない。
ウソをつかず清廉潔白な人生を送ろう、などと青臭いことを言うつもりはないが、こういうウソは良くない。私的な他愛もないウソならともかく、このような公のことにウソをついて平気でいられるほど心臓の強くない私としては、そのような考え自体がまず大反対である。
次に、誰か他に加害者がいる場合は、確かにその者の責任が問われることもあるが、それが同じ会社の同僚であり故意ではないことが判明している場合は、原則として責任を問えない事になっている。したがって、安心して真実を申告し労災手続きをしたらよい。このことは例えば大きな建設現場などで、会社が異なるがその現場では同僚同様に仕事をしている場合なども同じである。
- Q 仕事で取引先に出張させ、終了後に自宅に直帰させたのだが、途中の乗換駅で階段から落ちて怪我をした。業務災害として労災は効くだろうか。
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A 労災適用として問題ない。ただし業務災害ではなく通勤災害になる。
質問の場合は仕事終了を会社に告げて直帰の許可もとってあり、取引先が仕事終了の場所と認められるから、途中寄り道をするなどの行為がなかったのであれば、通勤災害として定される。
- Q 従業員同士がけんかをして仕事中に怪我をした。労災は適用されるの?
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A そのけんかの原因によって変わってきます。業務災害として認定されるには業務遂行性と業務起因性があるかにかかってきます。つまり、その怪我の原因が業務を行っている時かどうか、業務が原因で怪我をしているかどうかです。
たとえば、仕事上の注意をしたところ相手が逆上して殴られた場合などは労災と認定される可能性が高くなりますが、必要以上に相手を挑発したり、刺激したりした結果のこととなると認定されないこともあります。
もちろん、まったくの私怨による場合には労災の適用はなくなります。
判例もケースによっていろいろであり、自身での判断は難しいですから、認められるかどうか微妙な案件の場合には監督署へ直接問い合わせてみるとよいでしょう。
また、実務上の話になりますが、このように相手がいる事故の場合には、労災申請に当たって第三者行為災害届という書類が必要になりますので、注意してください。
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【保険料の計算】
- Q 労働保険の確定申告で、パートやアルバイトまで入れて計算するのはバカ正直すぎるよ、と、同業者に言われた。その社長はいつも彼らの分は隠して出しているというのだが。
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A どちらがバカか、と言ってやればよい。
法は守るべきものだからだという理由もあるが、そのような杓子定規の問題だけからではない。このようなくだらん違法をするようなリーダーに従業員が心服してついてゆくか、取引先が信用して助力してくれるか、という経営上の大問題においてである。すなわち“小利を求めて大利を逃す”愚を冒すべからずということである。
一事が万事、という言葉があるが、このような人物はこのことに限らず、万事においてこういう仕事振りをする。表情にもいつしか特有の“貧相”が現れるようになる。当然、そんな人間が従業員からも取引先からも信頼や信用を得られるはずはなく、一時は成功したように見えても必ず、いつか墓穴を掘る。愚かなことと言ってよい。
これは私が、組織経営アドバイザーとしての約30年間において、1000社以上にものぼる栄枯盛衰を実際に見聞してきた、実例からの分析である。京セラの稲盛氏も、そのような者は経営者になってはならないと言い切る。
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【休業補償の計算】
- Q 業務時間中の事故による労災の場合、その日の所定労働時間の途中まで働いているのですが、その当日の休業補償はどのように考えたらよいでしょう。医師の診断によるとしばらくの間労務不能ということでした。
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A 所定労働時間中の事故ですので、その当日は休業補償給付のうち、3日間の待期期間の第1日目となりますから、労働基準法に基ずいて事業主が休業補償を行なうことになります。
その休業補償の額の計算は次の通りです。
『当日の労働時間分の賃金 + 当日の平均賃金と労働時間分の賃金との差額の6割以上の休業補償』(労基法施行規則第38条)
例えば、時給千円で所定労働時間は8時間、平均賃金が8,200円(残業等を含んだ平均賃金として)の従業員が、4時間働いたところで怪我をして休業したとすると、
事故当日の既労働分の賃金 ⇒ 4,000円
当日休業分の休業補償 ⇒(8,200円―4,000円)×6割=2,520円
よって、被災者のその日の合計は、6,520円となります。
一応、杓子定規に事故当日の計算を紹介してみましたが、業務上のケガですから、当日の賃金等は被災者の気持ちを考慮して、一切控除しないであげるというのも、労務管理上、一つの対応策ではありましょう。
なお、これら待期期間中は事業主にその休業補償の義務があるわけですから、たとえ従業員の希望によったとしても、法定の有給休暇をもって当てることはできないことを、付記しておきます。
- Q 従業員が業務上の怪我で会社を休むときは、はじめの3日間(待期期間)は平均賃金の6割以上を休業補償として会社が補償しなくてはならないと聞きましたが、公休日である土曜日日曜日がその3日間にあるときはどう考えればよいですか。
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A 例えば、金曜日の所定労働時間内で事故があった場合は、待期期間の初日はこの金曜日になります。この事故当日における休業補償の額に関しては次回にするとして、2日目3日目の土、日曜日は、月給者であれば補償の仕様がないと考えてよいでしょう。
休業補償というものは、業務上の負傷により会社を休むことを余儀なくされた場合の補填であるから、公休日に関しては欠勤控除がないため、休業補償したものとみなすことができます。
一方、時給者、日給者に関しては、欠勤控除という概念がないため、この考え方はできず土、日曜日も平日も関係なく休業補償が必要になります。
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【労災と健保】
- Q 仕事中に怪我をした従業員がいたのだが、たいした怪我でもなかったので健康保険で病院にかかってもらった。何かまずいことはあるの?
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A 明らかに間違っています。健康保険は業務外の負傷や疾病などについてのみ給付を受けられることになっています。これに対して、労災保険は業務上の負傷や疾病などについてのみ給付を受けることができます。
つまり、業務上の怪我であれば、たとえ怪我の程度が小さいものだったとしても労災保険で処理しなければなりません。また、今回のように本来労災保険で処理すべきものを健康保険で処理していると労災隠しと見られ、悪質なものは書類送検ということもありえます。
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【労災を使わないこと】
- Q 従業員が仕事中に怪我をした。たいした怪我でもなく一度治療を受けただけで済んだので、会社で治療費を支払って終わりとしたのだが、労災保険を使わないと労災隠しになるという人がいる。
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A そんなことはない。労基法ではその第八章で使用者責任を定めており、第84条で、労災保険などが適用される場合には、その責任を免れるとなっている。
したがって使用者が労基法に従ってきちんとその責任を果たすのであれば、必ずしも労災保険を適用しなくてもよい。
ただし、労災保険を適用しておいたほうが万全であることは論を待たない。なぜなら、例えば災害補償中に経営悪化による補償不能とか、思わぬ症状悪化や後遺症発生による補償額増大などという事態もある得るからであり、従業員にしても使用人による不安定な補償より、労災保険による確実な補償の方が安心できるからでもある。
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