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相談事例
労働時間
|パートと残業手当|管理職と残業手当|営業マンと残業手当|年俸制と残業手当|
|定額残業手当|変形労働時間と残業|直行直帰と残業|遅刻して残業する|
【パートタイマーと残業手当】
- Q 通常5時間のパートさんに残業をさせ、割増の残業手当を支払ったのだが、正社員たちからクレームが出た。どうすべきなのだろうか。
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A 労働法上は法定労働時間である8時間を超えない限りは割増は必要ない。(変形労働時間制は除くものとする)
通常の5時間を超えたのだから残業として扱い、割増を支払ったのだろうが、8時間までは法内残業として通常の時間分を支払えばよい。割増分は不要である。
なお、雇入通知書や労働契約書に、契約時間を超えた場合は割増を支払うと定めてある場合にはその定めが優先されるから、たとえ8時間未満であっても割増の支払い義務が生じることになる。
- Q 私の会社ではアルバイトの従業員に残業代を割り増して支払っていません。先日その事についてアルバイトから、残業代は割り増して支払わなければならないものだといわれたのですが、本当ですか?
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A 割増賃金を支払わなければならない場合とは、法定労働時間を超えて、または法定の休日に労働させた場合です。
つまり、1日の法定労働時間である8時間を超えて働かせたところから割増賃金が発生することになります。
また、アルバイト等、短時間で働く労働者についても、例えば、所定の労働時間が5時間である従業員は、1日の法定労働時間である8時間から考えると、1日3時間までの残業は通常の賃金を支払って構いません。それ以上の残業になった場合に割増した賃金を支払わなくてはならなくなるということです。
ただし、1日に働かせた時間が1日の法定労働時間を超えていなくとも、週の労働時間を見て、週40時間の法定労働時間を超えた場合にも割増賃金が発生しますので注意が必要です。
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【管理職と残業手当】
- Q 正式な部長ではないのですが、当社の昔からの習慣でそう呼んでいる人がいます。この人は完全固定給で欠勤のペナルティーはありません。当人を残業手当などの支給対象から外してもよいでしょうか?
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A よく聞いてみると、労働法で言うところの管理監督職としての権限や義務(経営者と一体の立場の者という意味。
具体的には人事権とか懲罰権とか経営責任とか出勤管理とかを総合的に判断します。)は明らかに無いことが分かったので、除外対象者にはならないことを説明しました。
経営者としては少しでも経費を節約したいという気持ちからの相談であったようですが、この会社では、質問の対象となった以外の正社員全員を完全固定給として、これらの者は何日欠勤しても給与カットをしていないということでした。
就業規則や雇用契約でそう定めてあるならともかく、そうでなければノーワークノーペイの原則からして通常の欠勤は給与カットが出来ます。実態をよく調べて適法なアドバイスをしましたが、相談の問題よりよほど大きな経費削減につながりました。
- Q 当社では課長以上を管理者として位置付け、残業や休日出勤手当の対象外としている。それで特に問題が起きたことはないが、同業者の会合でそのことが話題となり論議となった。実際はどうなのだろう。
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A これは時々持ち込まれるテーマですが、基準法では確かに「監督若しくは管理の地位にある者」は労働時間等の適用除外者として扱い、時間外手当などの対象から外してよいことになっている。
しかしこの管理監督の地位というのがはなはだあいまいで、厚生労働省も「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者」などという解釈を示してはいるが、これがまたよく解らない。
その後、経営者に直属する部の長や統括権限のある組織の長、あるいは相当規模の出先機関の長、およびそれらに同格で経営上重要な企画立案調査を担当する者などと、少し具体的な厚生労働省通達が出たが、これでもあいまいさは残る。しかしこれ以上具体的にしてはかえって弊害が出る恐れもあるので、行政としてもこの辺までが限度なのだろう。
- Q 当社は課長以上を管理職と定めて、役職手当を支給する代わりに残業手当等の対象から外している。同業者の多くもそうしているようだが…
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A これはある会社から社労士およびアドバイザーとしての委託依頼を受け、打ち合わせに赴いた折に、雑談として社長から出た言葉である。
この言葉自体に違法性はないが問題はある。それは管理職の概念についてである。
この問題はこれまでにも、このインフォメーションで何度も何度も取り上げてきたことであるが、労働基準監督署が好んでチェックするテーマでもあり、最近も監督署にこの点を調査された会社が多いと聴くので、少し詳しく述べてみよう。
イ、問題点
労基法第41条が、労働時間等の規定の適用除外者として認めている管理者とは、「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者」とされている。
こういう定め方自体が曖昧であるところから、いろいろ誤解が生まれるのだが、“労務管理等において経営者の立場に立ち、経営者の分身的な義務と権限を有する者”と理解すればよいだろう。これでもまだ曖昧ではあるのだが、要するに肩書きだけは課長や部長でも、それに相応しい経営者の分身としての義務もなければ権限もない者は、労基法に言う管理者とは認められないということである。
監督署から調査された会社には、労基法にいう管理職とは認められない管理者について、過去2年前に遡って時間外手当の支払いを命じられる会社が多い。
ロ、解決策
これらの問題を解決するためにも、ぜひ職務分析を行って職務分掌規定を作成し、更には権限と責任、義務を明確化して職務権限規定を作成することをお勧めする。
職務分掌規定とは、自社における課長職や部長職といった職務の者が果たすべき仕事にはどんなものがあるかを洗い出し(分析し)てまとめ、更には各職務に必要な資格要件などを整理して条文にしたり一覧表にしたものである。
次に職務権限規定とは、同じく自社における各役職ごとの職務権限や責任、課された義務などを明確にして、条文にしたり一覧表にしたものである。
これらを、「経営者と一体的な立場」になるように(そう認められるように)整理して定めることにより、労基法でいう管理者としての性格が明確になって、監督署の立ち入り調査等にも胸を張って望めることになる。
ハ、プラス α の効果
しかも、このことの効果はそれだけではない。
一般に、管理者が管理者としての職務を果たさない、管理職としての自覚も責任感もない、などと経営者が嘆くその実態は、職務分掌や職務権限が明確でないため、“俺はいったい何をやったらいいんだろう?”と、管理者自身が戸惑っているという場合が少なからずあるものだ。
さらには、“自覚しろと言われても何を自覚したらいいのか?”“どういう権限とどういう義務があるのかわからない?”“管理職としての責任ってどういうこと?”などということもあるだろう。
職務分析に基づく分掌規定や権限規定は、これらの問題をも解決してくれる効果を併せ持つ。
更にもう一つ、こういったことを明らかにすることによって、管理者とは経営者側にたって物事を考えなければいけない立場であるのだ、という認識も高まってくる。これも大きな効用だろう。
組織活性化のための基礎作りとして、ぜひ検討してみられることをお薦めしたい。
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【営業マンと残業手当】
- Q 営業マンが多数いるのだが、営業という特殊性のため定時よりかなり遅くなるのだが、すべて時間外として手当を出さなくてはならないか。
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A 原則はその通り。
ただし、基準法第38条の2の「みなし労働時間制」を応用できる可能性はある。
それは実際の勤務時間にかかわらず一定時間勤務したものと見なす制度であり、一般には出張などのときに適用されるのだが、営業などのように定時をオーバーはするのだが実際の労働時間は算定し難いというときにも、労使協定により一定の時間外労働時間をあらかじめ決めておくことが出来る。
条件としては、
1、労使協定をすること。
2、自分で時間管理をしており、会社としても仕事時間が把握できず、実際の労働時間が算定し難いこと。
が必要である。
しかしこの件については、例えば今日のように携帯電話や各種モバイルツールが普及している時代に、果たして勤務時間が把握できないということがあるだろうか、など、いろいろ問題が残る。
また、自宅に直帰であればよいのだが、いったん会社に帰社させるのであれば「みなし労働時間制」は認められないという見解も根強くあって、学説も判例も、また役人によっても解釈が異なるケースがあるから注意が必要だ。
要は、部長とか課長という肩書で適用除外者にしてよいというものではなく、その者の権限や義務及び職務の内容がどうなのかによって判断されるものだということである。
肩書は部課長でも何の権限もない者は、法で言う管理監督者には該当しないので注意が必要だ。
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【年俸制と残業手当】
- Q 年俸制導入を検討している。その場合残業代などはどうしたらよいのだろう。
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A 年俸制としては1年契約のプロ野球選手のそれなどがよく知られているが、一般企業で言うところの年俸制はこれとは異なる。
分かりやすく言うなら「年俸制の考え方を導入した月給制」とでも言うべきものであって、通常の月給制では、昇給時に逆に降給とすることはなかなか困難だが、年俸制は成果や実績によって次の給料を決める趣旨だから、その考え方を導入するなら降給も特に問題がなくなるわけだ。
ただし労働法上は通常の賃金と変わらないので、残業代(時間外手当)や法定休日手当その他の賃金に関する定めはそのまま適用される。このことは一般にあまり知られていないようで、このような法定手当まで包含しての年俸と理解している向きが多いので要注意である。
しかも、一般に年俸の何割かは賞与として出すケースが多いが、この場合の賞与は年俸の一部を賞与という名目にしただけであって、実際には年俸という給与とみなされる。
したがって時間外手当の計算にあたっては、この賞与も算入対象としなければならない。この点、通常の月給制などでの賞与とは性格が異なるので、特に注意が肝要だ。
なお、降給の可能性もあるので就業規則への定めや、その適用労働者の範囲の制定、個別的に同意を得るなどの配慮も必要である。成果主義を推し進めるとこのような賃金体系に帰結するのだろうけれど、今は実験段階というのが実態だから、安易に飛びつくのは薦められない。
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【定額残業手当】
- Q 期間契約社員を雇う際、残業分を含んだつもりの日額に設定したので、特に手当は支払わないという契約を結んだのだが訴えられた。なぜか。
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A 正社員以外を雇用するときによく起きる問題のようだ。これはもちろんよろしくない。『残業手当』として正式に別計上した定額を毎月支払っており、その金額の範囲内で残業をさせているというならともかく、このケースのようにその辺を明確にせずに、単純に高い日額を設定しただけでは残業手当を支払っているとは言えず、まして手当は支払わないという契約は契約自体が無効となる。
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【変形労働時間と残業手当】
- Q 1ヶ月単位の変形制を採用しようと検討しています。残業代の扱いはどのように計算すればよいのでしょうか?
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A 1日において8時間、ある週において40時間を越えていても、1ヶ月以内の一定期間において平均が40時間に収まっていれば、その分の残業代は支払う義務はありません。
ですから、1日の所定労働時間が例えば、8時間30分としていても、休日などを多く設定し、定めた一定期間内の一週平均が40時間に収まるような変形制を導入すれば、本来なら残業となる8時間を越えた部分(30分)についても、残業代は発生しない、ということになります。
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【直行直帰と残業手当】
- Q 本人から自主退職した者が、残業の割増を支払ってくれなかったと監督署に訴えたということで、監督署から呼び出しが来た。どうしたらよいだろう。
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A この会社はエクステリアの建設業であるが、聞いてみると作業終了後、会社に戻る移動時間については仕事とは見なさなくてもよいと思っており、したがって時間外であっても時間外扱いをしなかったということであった。
建設業の場合、このような問題も数が多い。要は直行直帰などの場合と会社を拠点として移動させる場合の解釈の違いなのだが、その辺が分からないとこのような問題が起きてくるようだ。
このケースの場合はたいした金額でもなかったので、速やかに支払って終了とした。
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【遅刻して残業する場合】
- Q 2時間ほど遅刻した者がその分を残業して帰った。この場合残業手当はどうしたらよいのだろう。
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A かなり以前は総計時間に関係なく、定時をオーバーしたら(定時から定時が実働8時間の場合)残業扱いとして、割増を付けた残業手当が必要と解釈されていたこともあったが、その後、1日の総計時間で解釈して良いという判例が多く出されるようになり、今日ではそれが通例になっている。しかしまだ以前の解釈を取っている専門家もいることを付記しておこう。
ただし、午後10時以降の深夜手当は総計時間に無関係に必要である。また、労使協定などで定時以降は時間外扱いなどと定めてあればそれに従うことになる。
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