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相談事例
就業規則
|就業規則の必要性| 役員と就業規則 |就業規則の周知義務|就業規則の変更|
【就業規則の必要性】
- Q ある人から、あなたの会社では就業規則を作成してあるかと聞かれた。作成する必要があるか、また就業規則とはどんなものか。
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A 質問の会社の場合は従業員がまだ7人なので、作成の義務はない。ただし人数の如何にかかわらず作成した方が良いとは言える。
なぜなら、就業規則とはその会社あるいはその組織の土台となるものであって、土台がしっかりしてこそ大きな家も建てられるからである。
この意味でも、作成するからには内容の充実した就業規則とすべきであろう。適当なところでお茶を濁した就業規則を作る社長さんが時々いるが、それは自分の会社の土台をいい加減に作って、わざわざ大きな家は立てられなくしているようなもの、つまり自ら自分の会社が大きくなれないようにしているようなものと言っても、言い過ぎではなさそうである。
- Q 監督署から就業規則整備の指導を受けた。なぜ面倒な規則など作らなければいけないのか。
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A かなり以前にも同様の質問に答えたように思うが、おさらいの意味で述べる。
規則とは組織体に不可欠であり、これが不整備の組織体が伸びることはむつかしい。
理由は人間は弱小動物だからである。知恵が発達し過ぎたので総ての動物の上に君臨しているが本来は力の弱い動物だ。
弱小動物は群れを作る。そうでないと生きてゆけないからだ。だから人間も群れを作る。これが集団本能とか帰属本能と言われるものである。
群れに所属することで弱小動物たちは生存本能を満たすことができ、安心できる。
群れにはその構成員たちを束ねる必要から必然的にボスが現れる。
人間の場合、この群れが土地に定着すると『村』となる。村にも当然ボスが現れてその構成員たちを束ねる。やがて構成員が増えてくるとボスのみでは統制が取れなくなり、オキテが発生し、組織が作られてくる。そうでないと皆の生存本能を満たすことができ安心できる、群れや村ではなくなるからだ。
これが組織体の原型である。会社も組織体である以上、ボスとオキテと組織の3要素は欠かせない。
この3要素がいかにしっかりしているかが組織体発展の土台であり、従業員たちが安心して、かつ真からやる気を出して、組織体のより以上の発展を目指すようになるか否かの分かれ目となる。
ここにしっかりした就業規則というオキテを制定すべき根拠がある。
《実はさらに「精神の拠り所」という、人間のみに必要な要素がある。機会があれば後日述べよう》
- Q 就業規則が大事じゃないとは言わないが、それは経理責任者に任せているし・・・
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A これは先日、ある二代目経営者とケンカをしてきたときの、その若社長の言葉である。
息子に任せた会社の将来に不安を抱いた、父君である先代さんが、ご意見番として、息子の相談に乗ってやりアドバイスをしてやってほしいという意志で、私たちと話し合ったときの一コマである。
これまでも何度も何度も述べてきたことだが、就業規則とは会社の法律であると共に、会社という大きな組織を支える土台であり、大黒柱でもある。そこに記載していないことで組織を動かすことは出来ないし、従業員を統御することも出来ない。まして、制裁など従業員に不利益を強いる行為は特に出来ない。このことも既に述べた。
これをいかに良く制定し、かつ、いかに良く運用するかが、組織発展の要であり組織瓦解の第一の歯止めでもある。
畑違いの経理責任者に任せて済む問題ではない。会社を取り巻く大きな問題も日常発生する小さな問題も、総ては就業規則でどう定めてあるか?、からスタートする。ここを押さえなければ良い解決法は生まれるべくもないのである。
まして後継経営者の場合はそうだ。若いため、創業者のようなカリスマ的支配はまだ期待出来ない後継経営者は、人を動かす寄りどころの多くを就業規則にゆだねなければならない。
そんな経営の基本も分からずに、自己の才能を買いかぶり、ふてくされて幼稚な議論を展開するアホな若社長に腹を立てた私は、父君に成り代わって苦言を呈して来たが、なるほどこれでは父君もよほどに不安であろうと同情した。
もちろん、最初から叱られるような相手にわざわざ金を払ってまで、顧問にする気にはならなかったのだろう。この話はそれで終わりとなった。
いまだに、就業規則は見たこともないという幹部も多ければ社員も多い。それは、組織という家の大黒柱の存在を知らないと言うに等しい。
- Q 会社を興してからずっと家族的雰囲気をモットーとし、窮屈な規則等は作らず、仲良く仕事をしてきたつもりだが、従業員はそんな私の気持ちがわからず、わがままで不平不満を言うばかり。何故こうなのだろう。
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A 失礼ながら当然の帰結というほかはない。
問題点は二つある。一つは家族的雰囲気ということだ。そのこと自体が悪いのではない。真の家族になり切れ、本気で従業員のためを思って本気で優しく、本気で厳しくなれるならばよい。
だが家族的の「的」とは「~のような」ということであり、つまりは家族の擬似、わかりやすく言えば家族のにせものということだ。そこにあるのはただ表面の優しさだけ。このような見せかけが従業員に通用することはない。
二つ目は会社の規則もないということ。法的には就業規則と呼ばれるそれは、組織にとっての法律であり掟であり、土台であり柱である。国家に法がなければ国家として存続できないように、会社にも法がなければ会社としての機能は果たせない。この就業規則についてはこれまでもしつこいくらいに申し上げてきた。
- Q 就業規則は10人以上従業員がいる会社が作るものと聞いています。当社は従業員が4名しかいませんので、まだ就業規則は作らなくていいんですよね?
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A 確かに就業規則は、常時10人以上の労働者がいる事業場においては作成の義務があり、所轄の労働基準監督署に届け出なければならないことになっています。
ですから、確かに10人未満の会社では就業規則を作成する必要はありません。しかし、就業規則というものは、法律で定められていようがいまいが会社を起こしたら、まず最初に作成するものである、と言う事を認識してください。なぜなら、就業規則とは会社の法律であるからです。国家に法律があるように、会社にも当然、法律が必要となります。それが就業規則なのです。早急に就業規則を作成する事をお勧めします。
- Q 就業規則を作成したいのだが、従業員からはいろいろクレームが出る事が予想される。そのような場合はどうなるのだろう。
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A 就業規則については個々の従業員の同意は必要としないから、クレームがあっても内容が法律に違反していないのであれば問題はない。
就業規則作成後、従業員代表の意見書を添付して監督署に届けるのであるが、時として従業員側の勝手なエゴとしか思えないクレームがつくことがあるが、法に違反してさえいなければその まま届けて差し支えない。
もちろん組織発展のためにはそのような不協和音は困るわけだから、そのための話し合いなり説得なり、あるいは教育指導の大切なことは言うまでもないわけで、就業規則そのものは問題なしとはいえ、組織としては解決しなければならない問題が残る。
- Q 本屋などで売っている「就業規則の作りかた」などを参考に先日就業規則を作成しました。何か注意する点などはありますか?
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A 注意する点は2つあります。まずは、当たり前の話ですが、労働基準法を遵守する事。当たり前のようでなかなか遵守されていない会社をよく目にしますが、最低限の事を守らずにいい人材など来るはずもなく、必然的に会社を大きくする事などできません。
2つ目の注意点は、参考書の丸写しではなく、オリジナルの就業規則を作成する事。何度も言ってきたことですが就業規則は会社の土台であり、大黒柱です。
会社を起こすに当たって社長には大きな夢やビジョンがあるはずですから、そのビジョンに基づいたオリジナルの規定を作成することです。
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【役員と就業規則】
- Q 就業規則は役員にも適用してよいのだろうか、また退職金規定はどうだろう。
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A 役員つまり取締役は労働法上の労働者ではない。すなわち従業員ではないので従業員用の就業規則も退職金規定も適用されない。と述べれば本来はそれで終わりなのだが、ややこしいことに一般の中小企業では従業員兼務取締役というケースが多い。
この場合は一人の人間が両方の性格を有するわけで、法律上も両方の法律が適用になる。つまり従業員(労働者)としては労働基準法が適用され、従業員用の就業規則も適用になる。もちろん退職金についても同様で、この場合は従業員の賃金として支払われている部分がその算定対象となろう。
その一方で取締役としてはそれらのすべてが適用にならず、法律としては商法が適用される。商法では退職慰労金について定款もしくは株主総会、あるいは総会で一任された取締役会で決定することになっているので、その決定に従うことになる。なお就業規則については、取締役にはそもそもその概念がないのだが、それでは困るようであればそれに代わるものとして取締役心得、あるいは取締役執務心得といったものを定めておくとよいだろう。この心得に労働法上の制限はない。
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【就業規則の周知義務】
- Q 就業規則は試用期間中の者やアルバイトなどにも見せなくてはならないか?
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A もちろんである。労働者であるなら試用期間等の区別なく見る権利があるし、会社側もだれでも閲覧出来る状態にしておいてやる義務がある。(労働基準法第106条)
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【就業規則の変更】
- Q このような御時世なので50歳で給与は頭打ちとしたい。就業規則にもそのように盛り込みたいのだが、不利益変更はどうこうと、よく新聞にも出るので躊躇している。
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A まず基本から述べると、原則としては問題ない。就業規則変更には、労働者代表からの意見書を添付して法定どおりに届けることが必要なので、その辺をきちんとすること。
次に、既に存在する就業規則あるいは労働協約、又は労働契約などで、50歳以降も昇給する旨の内容が記載してあれば、不利益変更になる恐れがあるので、労働者代表や個々人の同意が必要となってくるのだが、しかしこの点も、総合判断で客観的合理性があれば、同意は必ずしも必要としないという判例もある。
まぁ、現代のような経済状況下では、質問の程度のことなら社会的に見ても妥当と言ってよいのではないか。
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