定年就業規則コンサルタント、社労士(社会保険労務士)のスペシャリストANGELO

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相談事例
定年

定年退職日定年制のない会社定年引き上げと嘱託管理職定年制
嘱託後の賃金定年後研修

【定年退職日】
Q うちの会社の定年退職日は「満60歳になった月の給与締め切り日」としてあるのだが、先日、とある会合で、それではまずいのではないかという話が出た。どういうことだろう。
A 現在は満60歳以上を定年としなければならなくなっているので、このままではいけない。
 なぜなら、例えば給与締め切り日が20日の会社に、25日が誕生日の人がいたとすると、その人は誕生日の前、つまり満60歳にならないうちに退職日が来ることとなり、違法となるからである。
 具体的には、「満60歳に達した日」「定年に達した直後の給与締め切り日」「誕生日の属する月の末日」などとするのがよいだろう。

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【定年制のない会社】
Q 私どもの会社では、特に定年の定めをしていないのですが、法的に何か問題はあるのでしょうか?
A 「定年」とは、労働者が所定の年齢に達したことにより自動的、又は解雇の意思表示によってその地位を失わせる制度であって、就業規則等によって定められたものをいいます。
 最近の経済状況や、高年齢者を取り巻く雇用情勢から、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(同法第4条)では、事業主は、その雇用する労働者の「定年を定める」場合、60歳を下回ることは出来ないとしています。ただし、定年を規定することは、法律上の義務とまではされておりませんが、仮に定年を定めていない場合、解雇か自己都合による退職になってしまいますので、労務管理的には、定年を定めておかれたほうがよいといえます。
尚、事実上一定年齢に達した場合に退職するという暗黙のルールが就業規則以外の内規を元に慣行化されている場合は、定年制度として法的拘束力を有しているとは言いがたいと言えます。このような規定の仕方では、法律上の「定年」にはあてはまらなくなる恐れがありますので注意が必要です。

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【定年の引き上げと嘱託】
Q 会社を創設して以来はじめて、60歳に達したことによる定年退職に該当する者がでました。この従業員はまだまだ元気なので、もう少し働いてもらいたいのですが、その場合は定年の年齢を引き上げればよいのでしょうか?
A 定年の年齢を引き上げる方法もありますが、定年後に嘱託という形で再雇用するのが一般的です。
 嘱託とは、期限付きで結ぶ雇用契約のことを指します。例えば、定年後にあらためて1年間(特に1年間でなくてもよい)の雇用契約を結びなおして再雇用するといったことです。
 また、双方が契約の更新を望むならば、また1年間、また1年間と更新してゆくことができ、双方が更新を望まないのならば契約期間満了をもって、雇用関係を終了させることもできます。ただし何度も更新を繰り返していると、期間の定めのない契約と同等の扱いになり、単純な期間満了の退職ではなく、解雇問題が浮上してきますので注意してください。
 なお、原則的には、定年に達した従業員を再雇用するか否かを決める権利は、従業員を採用するときと同じように、会社側が持っているといえるのですが、再雇用希望者の再雇用を拒否する場合にはある程度注意が必要です。
 再雇用希望者は、その一人一人について厳正な審査をして決める事になっていれば問題はないのですが、もしも就業規則に「再雇用希望者は特別な問題のない限りは受け入れる」というような趣旨の記載があったり、慣習的にそのような流れであったりする場合には、ある者の再雇用を拒否をするには、その従業員に相当の欠格事由がなければならないとする判例もありますので、十分な注意が必要です。
 このことは、再雇用後、さらに更新を希望する場合にも当てはまります。就業規則に「更新は65歳までできる」というような趣旨の記載をしていたり、慣習的に雇用契約更新の希望者は繰り返し更新してきた、という過去の経緯があったりするならば、相当の理由がない限り更新拒否はできないものとされていますので、やはり注意が必要です。

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【管理職定年制】
Q わが社では組織改善を目的として、管理職の若返りを促進し中堅社員の活性化を図りたく、管理職定年制を導入したいのですが、管理職手当のカット・基本給減額をともなう管理職定年制の導入は有効でしょうか?
A 結論から申せば、管理職手当のカットはともかくとしても、基本給減額は問題ですね。それに、事前の就業規則変更が必要である事を、先ず申し上げておきましょう。
 次に、いささか杓子定規に解説するなら、管理職定年制の適用にともなう減額の程度や、それが月額賃金全体に占める割合、つまり就業規則を変更することによって生じる不利益内容や、程度の如何がポイントになる、ということになります。
 ある判例では、「賃金など重要な労働条件に関する、就業規則の不利益変更は、高度の必要性に基づいた合理性がある場合に限り労働者に拘束力を持つ。」(第四銀行事件・最高裁判決)としており、その合理性が問題となっています。
 今回のケースでは、特に基本給減額の部分が、その額によっては「重大な不利益」にあたる可能性が強く、たんに「若返り」や「中堅の活性化」等の必要性程度の理由では、経営状態の著しい悪化等経営上の高度の必要性に基づいた合理性がある、と判断されるのは難しいと言わねばなりますまい。
 それでもなお、導入を進めたいのであれば、減額にたいする相当の代償措置(つまり見返り)を設け、経過措置を加えるべきでしょう。

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【嘱託後の賃金】
Q 間もなく60歳の定年を迎える者がいるが、その後も嘱託として週に何日か働いてもらうこととした。給与はどのように決めたらよいだろう。
A このような場合、日額ベースでこれまでの給与よりも大幅に下がる時(60歳時の賃金の75%未満)には、一定の割合の高年齢雇用継続給付基本給付金が支給されるし(他にも細かな条件があります)、在職老齢年金も支給される可能性もあるので(こちらも細かな条件あり)、これらとの調整により給与を決定するとよい。
 むろん、週に1、2日のみの出勤の場合には、雇用保険から社会保険からも抜けなければならなくなる。この場合には、高年齢雇用継続基本給付金は支給されない。年金に関しても、在職老齢年金に変わり特別支給の老齢厚生年金が支給されることとなる。
 このように、実際に給与額と各種給付との間をどう調整するかは複雑だし、継続給付や年金支給に該当するか否かの確認や手続きの問題もある。就業規則にその旨の記載も必要なので、ケースバイケースで専門家に相談するとよい。

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【定年後研修】
Q 定年に近い者が何人かいて、退職後は何をどうしたらよいのかと不安らしい。大企業などではこのような人たちに対する対策も充実していると聞くが…
A 昔は大企業とて、特に対策はなく、子会社や関連会社に再就職させる程度だったが、最近は、例えば退職に伴う失業保険の手続き方法やら、年金受給のあれこれ、税金問題、再就職活動としての履歴書の書き方から面接の受け方、再就職先でうまくやる方法、退職金活用の仕方から生命保険の問題と、至れり尽せりのセミナーを開くところが増えてきた。このようなことを「退職準備プログラム」などと呼んでいる。
 私も昨年の一時期に自衛隊に招かれて、定年間際の自衛官たちの同様セミナーで、営業マンとして再就職する場合と、独立自営の道としての資格取得に関することを担当して講義してきたが、その他にも複数の講師が交代で、数日間にわたっていろいろなことを講義していたようだ。
 このような社会の動きからも、退職後の各人の不安を解消してやる対策は、これからの企業の役割の一つでもあるらしい。
 かといって、一般の中小企業では、大企業や自衛隊のように莫大な経費と日数をかけて実施するわけにもゆかない。そこで斎藤事務所ではそんな皆さんのために、中小企業向けの同様セミナーを立ち上げ、本年から実施しているので、どうぞ遠慮なく相談されたい。

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